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物流システム論【代講・So-net版】 [講義レポート]

北海道物流の現状

たまねぎを例にとる。 北海道においては、北見がたまねぎの産地である。 北見でとれた玉ねぎは100km(?)ほど離れた帯広を経由して300km(?)離れた苫小牧まで鉄道で運ばれ、苫小牧港から関東へ送られている。
北海道は農・水産物が主要な輸送品目であるが、農水産物の産地から物流拠点地までは300km以上の距離的隔たりがある。

北海道の輸送量
平成9年は5.6トンに対して平成18年は4.8トンと年々減少傾向にある。


輸送品目別輸送量

北海道は建築用資材の鉱産品の減少が顕著である。
これは橋の建設などの公共事業が減少しているためである。


道内から道外の輸送量
平成19年は6300万トン、平成11年は6100万トンとほぼ横ばいで推移


北海道の機関別輸送量の推移
北海道への移入も北海道からの移出も全体の9割が内航・フェリーが占めている。


品目別の輸送比率

北海道は鉱産品・農水産物を主に移出している。
これに対して、石油製品・機械が主に北海道へ移入してくる

したがってこれらをどう移送するかが重要である。

北海道物流の特徴

北海道は広大な土地柄、輸送の遠隔地多方面性が指摘される。 また、道内の主要都市間の距離が長い。 また、本州と海で隔絶されているため、輸送機関が限定されているという致命的な特徴を抱えている。
また、道内からの移出よりも道外からの移入が多い、貨物の入超構造が慢性化している。
そして、北海道の移出品目が一次産品であることから、採れる時期と採れない時期で貨物量に差が生じる「季節波動性」を持ち合わせている。
また、雪道の輸送という問題を抱えているのも特徴である。

地理的条件

九州との比較

九州
隣接の中国・四国向けが4割 関東2割

北海道
関東向けが5割を占めており、東北向けが2割に留まっている


道内の都市間距離の長さ
貨物自動車一日あたりの移動距離
83km/台・一日
主要都市がさまざまな方面に点在しているため、コスト高につながる。

限定される輸送手段
北海道 船81.9%
四国 船5割 車4割

四国は橋で本州と繋がっており、北海道は海で隔絶されているため、船・鉄道に頼らざるを得ない。
したがって、競争相手が少ないことからコストがほかの地域と比較して高くつく傾向にある。

北海道の物流の特徴

入超
簡単に言ってしまえば、北海道に入ってくる荷物が多く、出る荷物が少ないということ。
これによって、北海道各地にものを運んだあと、帰ってくるときに、荷台が空で帰ってくるということが起きてくる。
これは物流においては非効率的である。

これは国際貨物においても言えることであり、むしろこちらのほうが深刻。
北海道が海外から輸入している量がかなり多い状態が慢性化している。

この入超に陥っている理由が北海道の産業構成にある。
北海道は
農業などの一次産業が37%
第二次産業が17%
観光・サービス等の第三次産業が87%
と一次産業が多い。

一次産業は農産品、つまり採れる時期と採れない時期で物流量が違ってくる。
これを季節波動といい、北海道はこの季節波動が大きい地域である。

これが問題となっている。
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